前回のシリーズ記事からずいぶん時間がたってしまいましたね。

一応続いていますよ。

今回は、発売が延期になっていた3452+3451+3860の3両セットのその後をご覧ください。

前回の記事はモハ510についての記事でしたので、3452F関連の記事を探したら5月以来の更新であることがわかりました……
造形結果等はすでにTwitterで既報の通りですが、ここでまとめたいと思います。

まず造形結果ですが、非常に素晴らしいものとなりました。
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クハ3850はすでに以前出力しておりますので今回は3452+3451のみ。

板キット状ですので、普通に組んでいきます。
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瞬間接着剤は、ゼリー状と流し込みタイプの2種を使い分けるとよいでしょう。
なお、ヘッドライトや幌は一体成型で作っています。
射出成型と違って一体成型でもディテールが損なわれることなく、しかも別パーツ化して出力するより出力面積が小さく済むため安価にご提供することができます。

惜しむらくは塗り分けが難しくなってしまう場合がある点ですね。
3451は中間に入って目立たなくなってしまうため、今回は一体成型で問題ないと判断しています。
細かい部分は面相筆+エナメル塗料で乗り切ります。

サフを吹いた状態です。
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3452と3451は屋根上のリベットが特徴的ですが、コンマ1mm程度のリベットも綺麗に造形されていることがわかります。
出力形式はいつも通り、DMM.makeのアクリルUltra modeです。
ボディは積層痕が出ていますが、#600程度の紙やすりで磨いた後、サーフェイサーを吹けばほぼ目立たなくなります。


細かなディテールもばっちり再現できていることがわかります。

さて、塗装に移るわけですが、せっかく3452Fを選んだからにはやりたいですよね!
リバイバル旧塗装!
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いかがでしょうか?

塗装はこちらもいつも通り新水性塗料"クレオスアクリジョン"を使用しています。
これに慣れるとラッカーの臭いには耐えられません……
ただし、粘性が高く固着すると塗膜が強固過ぎてエアブラシが詰まりやすいのが難点です。

色は、紺が青5:黒1程度、クリームが白1:黄1程度です。
ちょっとクリ―ム色の赤みが足りない気がしますね……
とはいえ、実車のリバイバル旧塗装も赤みが薄くてちょっと違和感のある塗装でしたので、その時のファンの心情をも再現する塗装ということで(笑)


しかしこの紺+クリームという塗り分けのなんと難しいこと!
この塗り分けはスカ色や583系でおなじみですが、大手メーカー品でも結構吹き込みや線の乱れが目立つことで有名です。
下地が青や紺だとクリーム色の発色が悪くなりがちなのもよくある話です。

というわけで、クリームの発色を考えて、先にクリーム塗装・後で紺塗装としています。

また、シル・ヘッダーのせいでボディが凸凹しているため、吹き込みが散見されます。
薄いものは、アクリジョンの溶剤を綿棒や爪楊枝に含ませ、サッと拭き取るようにすればある程度リカバリーできます。

なお、屋根色はアクリジョン純正の明灰色を使用しています。
少し青みがかっていて東急系の屋根色にはお勧めです。


ボディの塗装が終わったら地獄のサッシ色差しです。
烏口にエナメル塗料のフラットシルバーを注ぎ、サッシ1枚1枚に色を載せていきます。
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多少のはみだしは後でエナメル溶剤で拭き取れますので気にしなくてもいいのですが、とはいえはみ出しすぎはリカバリーが効かなくなるので注意です。

扉窓のみ黒Hゴムなので、ここではガンダムマーカーの極細黒を使用して塗っております。
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サッシや黒Hゴムは、断面もしっかりと余白なく色を塗りましょう。
出来栄えに大きな差が出ます。

しかし。3452他3両分にサッシとHゴムの色差しを施すのはさすがに疲れますね💦
修行にはいいかもしれませんが……

どうでしょう。
サッシの色差しが済むと顔が引き締まって見えますね!

いよいよらしくなってきました。


床板・床下機器・台車・連結器回りは全て黒で塗装しておきます。
細かいパーツが多いので折損に注意します。
もし折ってしまったら、切断面に瞬間接着剤をちょん付けして修復してください。

ヘッド・テールライトも弊社おなじみ、アクリル素材の透明性を活かしたレンズ再現としています。
サフ吹き前にレンズ部分をマスキングしておき、ボディ塗装が終了してからマスクを剥がしてクリアを塗ると、レンズが入っているかのような透明感のある表現が可能となります。

テールライトにはクリアレッドを差して赤いレンズを表現します。

3860は実車に合わせライトケースにグレーを塗っておきます。

ボディの色差しや、はみ出し・吹き込み箇所のタッチアップがある程度終わったら、透明塩ビ板で窓を再現していきます。

透明塩ビ板ですからもちろん透明ですが、光が当たったときのガラスの反射があると、それだけでまるで車両に命が吹き込まれたかのようにリアルに見えてくるのが面白いですね。

最後に台車を組立てて床板に取り付けます。
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3452+3451は日車ボールドウィン台車。

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3860はYS-T1台車です。
繊細な表現でリアルに再現できているのがわかるかと思います。

特にYS-T1台車は既製品がありませんから、この製品のみのパーツとなります!

最後にレタリングを施します。
車番とT.K.K.はトレジャータウン製、検査表記はパンダ工業製のものがあるのですが……
ちょっとそこまで手が回ってません……

まあでもどうでしょう?
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我ながらカッコいい……
しばらく眺めてしまいました(*´ω`)

クローズアップするとまだまだ粗が目立ちますが、まあこんなものでしょうか。
焦らずじっくりチマチマと、タッチアップや微調整を繰り返すしかないです。
ここまできたら、レタリングや細部の作り込みまで進めてちゃんと完成させたいですね!


さて、気になる販売形態ですが、
当初床下機器まで含めたフルセットでのご提供を考えておりましたが、非常に価格が高くなってしまいますし、床下機器程度なら既製品の並べ替えで済ませてしまう方もいらっしゃると思います。

ということで、今回は、
・ボディ+床板+台車枠のセット
・別売床下機器セット
・動力化台車枠・床下機器セット

の構成にしたいと考えております。

動力は3450や3499同様鉄コレ17m級動力対応としておりますが、相変わらず再生産が無いため今のところ動力化が難しい状況です……
鉄コレ本家より3450形が登場するようなので、そのタイミングで再生産がかかるかもしれません。

発売日は10月中を予定しておりますが、この分だと31日になりそうです。
いつも通りDMMクリエイターズマーケットでの販売となります。

発売の際にはまた各所でお知らせいたしますので、ぜひぜひご注文お待ちしております!