東急から本年度の設備投資計画が発表されたことで
当ブログ以外でも至る所で予想合戦が繰り広げられている8500系の動向です。

せっかくなので私も取り上げてみます。
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まず設投計画の概要ですが、その詳細は公式のニュースリリースhttps://www.tokyu.co.jp/image/news/pdf/20190513-1.pdf
をご覧ください。
ここでは8500系に関係する点を抜き出すと、
・田園都市線向け2020系を6編成導入し、旧型車両(8500系)を置き換える
とあります。

まあ大方の予想通り、引き続き2020系を導入して8500系の置き換えを進めるのは順当ですね。
一昨年度3本(増発用)、
昨年度6本(置換用)ですから、
田園都市線の旧型車は、予備編成数や運用数が現行のままなら

2017年度まで:8500系24本+8590系2本+2000系3本
       =29本
2019年5月現在:8500系23本
2020年3月以降(予定):8500系17本

という推移を辿るはずです。

では本年度はどの編成が去ってしまうのでしょう?
昨年度の実績を見直しながら考察してみます。


昨年度の廃車編成は、田園都市線所属車の場合以下の6本でした。
2000系3本⇒9020系改造・大井町線転属
8694F(前回検査:2013.09:重検)2019.02.27長工回送・廃車
8695F(前回検査:2013.12:重検)2018.12.11長工回送・廃車
8620F(前回検査:2014.10:全検)2019.04.09長工回送・廃車
※8620Fは今年度廃車ですが、置換用2129Fが昨年度導入分なので昨年度廃車に算入。

一方で昨年度検査出場した編成は、以下の8本でした。
8617F(前回検査:2018.05:重検)
8635F(前回検査:2018.06:全検)
8628F(前回検査:2018.07:重検)
8636F(前回検査:2018.10:全検)
8619F(前回検査:2018.12:重検)
8622F(前回検査:2019.01:重検)
8630F(前回検査:2019.03:重検)
8631F(前回検査:2019.04:重検)
※8631Fは今年度検査ですが、検査入りが昨年度なので昨年度検査出場車に算入。

一般的には検査順・走行距離順に廃車となりますから、
現時点で最も廃車の可能性が低い編成軍といえます。

そして重検・全検周期は4年ですから、2022年度末の全廃・置換完了を考えると、
もう8500系の検査を通す必要はなくなってしまいます。

また、2020系は20年度~22年度で17本置換ですから、均等に配備されるとすれば
20年度=6本
21年度=6本
22年度=5本
となるでしょうか?


というわけで、現行全編成の検査順と2020系配備計画を並べると、

8642F(前回検査:2015.04:全検)=19年度置換
8606F(前回検査:2015.09:全検)=19年度置換
8633F(前回検査:2016.02:全検)=19年度置換
8632F(前回検査:2016.03:全検)=19年度置換
8621F(前回検査:2016.05:全検)=19年度置換
8623F(前回検査:2016.07:全検)=19年度置換
8625F(前回検査:2016.08:全検)=20年度置換
8637F(前回検査:2016.09:重検)=20年度置換
8626F(前回検査:2016.12:全検)=20年度置換
8614F(前回検査:2017.02:重検)=20年度置換
8615F(前回検査:2017.03:重検)=20年度置換
8627F(前回検査:2017.04:全検)=20年度置換
8616F(前回検査:2017.06:重検)=21年度置換
8634F(前回検査:2017.08:全検)=21年度置換
8629F(前回検査:2017.12:重検)=21年度置換
8617F(前回検査:2018.05:重検)=21年度置換
8635F(前回検査:2018.06:全検)=21年度置換
8628F(前回検査:2018.07:重検)=21年度置換
8636F(前回検査:2018.10:全検)=22年度置換
8619F(前回検査:2018.12:重検)=22年度置換
8622F(前回検査:2019.01:重検)=22年度置換
8630F(前回検査:2019.03:重検)=22年度置換
8631F(前回検査:2019.04:重検)=22年度置換

となりますが、果たしてそんな順当にいくでしょうか?

まず18年度の時点で、8620Fや8694F&8695Fは休車期間を多く算入して
検査期限をかなり延ばしています。
そして、2020系の投入タイミングで入れ替わるように廃車させています。
逆に8617Fをはじめ多くの8500系が繰り上げで昨年度検査を受けています。

この時点で検査期限だけで廃車編成を判断しているとは言えないことがわかりますね。

あくまで検査期限や走行距離は考慮したうえで、廃車させるべき編成の優先基準がありそうです。
廃車対象となる基準は、次のものが挙げられます。

・東武非直通車
・特殊仕様車
・未更新車
・非軽量車
・調子の悪い編成
・重篤な故障を引き起こした編成

これらのうち下2つの基準は一般的なファンにはわかりませんので何とも言えませんが、
上4つの基準を考えるならば廃車方針は見えてきます。

これらの基準を満たした編成について休車を掛けておき、
2020系の投入タイミングで順次廃車にしていくことになるのでしょう。

ちなみに、赤色モケットについては考慮していません。
というのも、モケットの採用基準がバラバラですし、検査時の交換もまちまちです。
おそらくモケットはモケットで交換周期があり、
その周期を迎えたものから機械的に変えているだけのような気がするんですよね。


それらを考慮して上記の各項目に重みづけをして再評価してみました。

もっとも、重みの設定についてはあくまで主観的なもので、
どの項目がより重要で優先されるべきなのかは、
鉄道事業者や、もっと言えば現場の人間以外知る由もないのであまり正確とは言えません。
ご容赦ください。

さて、重みづけをして再評価した結果、優先順位を付けてみますとこうなります。
8500系置換予測
どうでしょう?
まあ重みづけしたところで順当といえば順当な結果でした。
ただ、未更新車の扱いをどうするか悩みまして、一応軽量車は未更新車扱いで評価しています。
そうしないと軽量車ばかりがかなり最後の方まで残りますが、
現状本当に軽量車だからというだけで廃車を先送りにはしないと思ったので、
あくまで"軽量車も未更新"という扱いにしました。

この結果だと、何気に伊豆夏8614Fが今年度で消滅という予測でちょっとびっくりです。
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逆に8606Fはマニアの中の人特権でしれっと検査を通してしまいそうな気も……
まあ半分私の願望ですが(笑)

そして8642Fは……厳しそうです。
まずすでに全編成中前回検査から丸4年以上経過しているのはこの編成だけです。
同じサークルKでも特に直通車と差のない8606Fとは違い、走行機器類が大きく違いますからね。
特殊仕様車という8642Fが唯一当てはまる重み評価を受けて廃車候補ダントツ一位です。


ここまで予測してきて最後にこんなことをいうのもアレですが、
鉄道車両の設備投資計画は大抵1年前には計画されて、
すでに車輛製造者に発注されているはずです。

また、車輛の新造計画を受けて廃車計画も立てているはずなので、
いくらここで予想したところでもう廃車編成は決まっているものと思われます。
また、車輛の不調等、現場判断でその計画が差し替えられることもあり得ます。
ちょっと古い話ですが、大井町線8005Fは扉非扱い駅で誤開扉するという故障があって、
そのまま休車入り⇒廃車となっています。

ですから予測自体あまり意味が無かったりするのですが、
こうした予想合戦はそれはそれで面白く、各人の予想根拠もいろんな面から考察されていて
盛り上がるので、乗っかってみた次第でした。


あくまで個人の予測ですので信用なさらないでください。
1年後の結果が楽しみですね!
でもそれは6本もの8500系が消えてしまうことを意味するわけですが……


※2020年5月追記
この記事を書いて1年が経過しました。
答え合わせはというと、結局ほぼ検査順でしたね……💦
まあ当たり前で、"今更軽量車だから"とか、"更新車だから"といった理由で廃車を前後させる必要もないのでしょう。

ただ、やはり8606Fに関しては走行距離目いっぱいまで走らせたようですね。
非公式の撮影会や公式YouTubeでの幕回し動画公開などを見る限り、職員の中でもかなり愛された存在だったようで何よりです。

それから8637Fは予想を裏切り見事に全検出場を果たしました。
半蔵門線CBTC化の予備とのうわさがありますが、何はともあれめでたいことです。

今後も検査期限順に落ちていくと思われますが、故障や調子の悪い編成が先に落ちたりすることも予想されますので編成問わず記録はお早めに。