車両形式でロネといったらA寝台車を表すことは
鉄道マニアなら常識といってもよいでしょう。

"ロ"は、"イロハ"の"ロ"であり旧3等制の2等車を表し、
現在ではクルーズトレインを除く一般車においてグリーン車を表す記号となっています。
そして寝台車においては実質A寝台を表す記号となりました。

"ネ"は”寝る”で寝台車ですね。

そんなロネ車は旧来の夜行列車の中では最上級の等級であり、
それ自体には異論はありませんでしたが、
その”最上級”の中では居心地の面で結構な優劣がありました。

今日はそんな旧来の、そして最後のブルートレイン14系/24系の中の
”最上級”寝台からいくつかの写真を掘り起こしてみました。

オロネ25 0番台(オロネ15 3000番台)シングルデラックス
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こちらは以前にも紹介したオロネ25 0番台(オロネ15 3000番台)です。
独房と揶揄された細長い個室が特徴ですが、
一世代前の客車である20系の1人用個室"ルーメット"の流れを汲む個室車両として
ブルトレブームに一役買った車両です。
主に東京発着の九州・山陰ブルートレインに使用されました。

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車内はJR化後にリニューアルされましたが、
場末のビジネスホテル感が拭えませんでした。
しかしながら定員14名という少なさは、
利用客数の逼迫していた国鉄特急事情を考えれば破格の待遇といえたでしょう。


スロネ25 500番台 シングルデラックス
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JR化後、凋落の一途をたどる寝台列車のグレードアップ策として
さまざまな改造個室車両が登場しました。

その中にはA寝台個室車も多く、このスロネ25 500もその一員です。

こちらは"あけぼの"専用の個室車両で、
定員はオロネ25 0番台よりさらに少ない10名でした。
ただし、個室内の補助ベッドを引き出すと2名でも利用できるよう工夫が凝らされており、
このあたりの配慮も国鉄時代とは違いますね。

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個室や廊下の造りもオロネ25 0番台とは比べ物にならないほどゴージャスで、
電球色の間接照明やシックなモケットを多用した重厚感あふれる造りとなっています。
改造時期がバブル期でしたので、その頃のトレンドを受け継いでいるのでしょうか。


オロハネ25 500番台 ロイヤル
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ご存知"北斗星"の最上級個室"ロイヤル"は形式名こそ"ロ"級ですが、
時刻表ではSA寝台という表記でした。

北斗星のロイヤル車両はB寝台個室との合造車でしたので、
1両当たりの定員は16名(ロイヤル・ソロは14名)ですが、
ロイヤル1室の1人あたりの専有面積は定期列車としては最も広いものでした。

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あけぼの用のシングルデラックスとはそれほど改造時期に差はなかったと思うのですが、
正直通路に関しては登場時期の割には古めかしさを強く感じます。

ただし個室内は別で、エクステリアの面でも機能面でもよくできていたと思います。
まさに時刻表表記の"SA"というクラスに相応しい内装でしたが、お値段もSAクラスでした。

最後の"ロイヤル"を見てしまうと冒頭のオロネ25 0番台シングルデラックスは
かなり見劣りしますが、
それでも自分一人のスペースがあって、誰にも邪魔されない空間というのを確保できる移動手段は
今も昔もそう多くないため、登場当時プラチナチケットとなったのも頷けますね。

2013年11月某日 スロネ25 500番台 
寝台特急あけぼの シングルデラックスにて
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朝起きるとそこは雪国でした。

そんな体験ができたのもブルートレインならではでしたね。
皆さんはどんな"ロネ"車が好きでしたか?